工科系の数理科学入門（Introduc​tion of Mathematical Science）

工科系の学生が社会で活躍するためには, 数学の基礎を身につけておくことが必須の条件です。本講座は,受験数学を経て大学へ入学した新入生を念頭に置きながら, 大学数学の抽象的な内容を高校数学からシームレスに展開させ, 噛み砕いて解説しています。

工科系の学生が社会で活躍するためには, 数学の基礎を身につけておくことが必須の条件です。本講座は,受験数学を経て大学へ入学した新入生を念頭に置きながら, 大学数学の抽象的な内容を高校数学からシームレスに展開させるように, また, 初学者が陥りやすい数学の難点を具体例を挙げながら,噛み砕いて解説しています。幸い今日現在では, MATLABが容易にPCで動くようになりましたので, 問題を解く道具としてこれを使っています。MATLABを使う目的は以下の3点です。

(1)「見える化」：すなわち, 豊富な描画機能を使い, 結果を可視化すること。

(2)動画機能の活用：3次元動画は楽しい。

(3)計算しながらの理解：手計算ではたとえば, 3行3列の行列がせいぜいですが, n行n列の実問題を解くことにより理解の促進が図られる。

　また,昨今話題のリカレント教育の教科書を意識して, 理系やり直し社会人にも数学の神髄（となることを期待して）を知ることのできる内容としました。実社会での例題を通して, 抽象的な概念を具現化し解説しています。初等的な事実だけではなく, 現代数学へと通じる道筋を明らかにしています。

　本講座の内容はすべてMATLABのLive Scriptの機能を使って書かれています。Live Scriptは実行可能なコードと解説などの平文が混在できるノートブックのようなものです。読者は解説文を読みながら実際にコードを実行させて数学の内容の確認ができます。あるいは, 提供されたコードのパラメータを変更して再実行させることにより, 理解はさらに深まるものと思います。あるいは, この講座を使って教授されるインストラクターにおかれましては, 内容を補充することも容易に可能です。

　「工科系の数理科学入門」を, ここに一通りまとめることができましたので, この度MathWorks社を通して公開することといたしました。

　本講座が教育機関や社内教育で広く使用されることを期待しています。時代と共にコンテンツを更新していくことが望まれますが, その点, 電子媒体（MathWorks社のFile Exchangeなど）を通じての本コンテンツ公開は時代に即している方法と思われます。教育を担当する専門家が修正更新することはもちろん, 学生諸君が自身で発展させることが一番の教育になるのではないでしょうか。